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2006年5月15日 (月)

定量分析 中和滴定1 試薬と標定

食品科学実験  第3講 第4講
3、定量分析とデータ解析:定量分析;中和滴定1 試薬と標定
4、定量分析とデータ解析:定量分析;中和滴定2 食酢の酢酸定量

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3.定量分析とデータ解析:定量分析;中和滴定1 試薬と標定

1、目的
物質の数を基準とした表示にはM(モーラー)とN(ノルマル)があり、普通はMを使うが、中和滴定にはNは有用であり、今回はNを用いる。
Mの溶液1000 ml に含まれる溶質モル数なのに対し、Nは溶液 1000 mlに含まれる溶質グラム当量数である。
グラム当量とは中和反応などにおいて酸や塩基の1グラム当量で水素イオンや水酸化物イオン1モルを供与するのに要する酸や塩基の質量をグラムで表した値である。
硫酸と水酸化ナトリウムの中和反応では、
硫酸1 グラム当量49 g+水酸化ナトリウム1グラム当量40.0 g → 硫酸Na + H2O
これは通常水溶液なので水溶液に直すと硫酸1グラム当量49 g/L で、1N硫酸となる。同様に1N水酸化ナトリウムということができる。
中和反応では、 N・V =N'・V' が成り立つ。
上記を踏まえ、0.1 N水酸化ナトリウム標準溶液200 mlの調整と0.1 N水酸化ナトリウム標準溶液の標定をする。その時、一度試薬を瓶から出すとその試薬は廃棄してけして瓶には戻さないこと、すぐ蓋を閉めることに留意した。特に水酸化ナトリウムは蓋を長く開けていると試薬と試薬がくっつきやすくなる。
また中和滴定の意味を理解する。N・V=N'・V'。Nは規定濃度で、Vは量 mlである。
濃度未知のものを濃度既知のものにするためでもある。
実験には誤差が必ず生じるが、真の値と実験の値の差、ズレをファクターという。Nの理論的な値を理論秤取量と実際にはかった量とのズレからファクターを求めることができる。
ファクター=実際の秤取量 / 理論秤取量
実験器具の使い方を知る。ホールピペットでは今回は安全ピペッターを用いた。またピペット内での濃度変化を防ぐため、共洗いをした。

2、材料と方法
○試料
水酸化ナトリウム(試薬特級、和光純薬工業株式会社、大阪市中央区)
シュウ酸2水和物(一級、和光純薬工業株式会社、大阪市東区)
フェノールフタレイン溶液(1%)
○器具・装置
50 mlビュレット
100 mlメスシリンダー
200 mlメスフラスコ
10 mlホールピペット
100 ml三角フラスコ
漏斗
スパチュラ
ビーカー
ビュレットスタンド
電子天秤(METTER、AB204-S、1)
マグネティックスターラー
安全メガネ
ピンセット

3、実験方法
まず0.1 N水酸化ナトリウム標準溶液200 mlを調製した。
水酸化ナトリウム 0.8578 gをビーカーに入れて純粋で3度洗い、表面のNa2CO3を除いた。その後200 mlになるように純粋を加えて溶解した。その際、器具にNaOHが残らないように純粋に3回洗いこんだ。
次にシュウ酸溶液を調製した。
シュウ酸1.2655 gを純粋に溶解し、これもビーカーにシュウ酸が残らないように3回洗いこんで200 mlにした。
ビュレットに水酸化ナトリウム溶液を漏斗で流し込み、先端の空気を抜いて目盛りを0にした。
三角フラスコにシュウ酸10.0 mlをいれ、フェノールフタレインを三滴入れた。
水酸化ナトリウムを入れ、ピンク色になって30秒経ったら消えるかタイマーで時間を計りながら流し込んだ。これを同様にし、計4回した。なお目盛りを読むときは目分量で小数点第2位まで読んだ。
4、実験結果
(1)シュウ酸の理論秤取量
0.1N=0.05M=モル数/200(ml)×1000
∴モル数=0.01
0.01=試薬の重量/126.06652
∴試薬の重量(理論秤取量)=1.2607 g
(2)シュウ酸の実際の秤取量
1.2655 g (W g)
(3)シュウ酸のファクターと真の濃度
1.2655/1.2607=1.0038 =シュウ酸のファクター ・・・F1
1.0038 × 0.1 = 0.10038 ・・・N1
(4)NaOHの敵定値と4回の平均とS.E及びC.V.の計算
M1=14.60 ml
M2=14.75 ml
M3=14.54 ml
M4=14.65 ml
M(平均)=14.64 ml
S.E.=0.045
C.V.=0.3074
14.64±0.045
(5)0.1N水酸化ナトリウムのファクター
0.1×F1×10.0(シュウ酸)=0.1 × F2 ×M(NaOH)
∴ F1×10.0÷M=F2
1.0038×10.0÷14.64=F2=0.6857
(6)0.1N水酸化ナトリウムの真の濃度
0.1×F2=N2(N)
0.1×0.6857=0.0685

4.考察
シュウ酸のファクターは1.0038であった。
比較的小さい値であった。
要因としては精評がわりと正確な値で量れたことと、スパチュラで試薬をビーカーに移す際に落とさず試薬が飛び散らないように気をつけた点であると考える。
水酸化ナトリウムはくっつき易く大きさもそれぞればらばらのため、精秤しにくかったが、1.26 gから大きくずれることもなく精秤できた。
精秤に時間がかかるため、すばやく精秤し蓋を閉める余裕がなかった。すばやく蓋をしめればナトリウムもくっつきにくくなる。
また4回の滴定値は14.60前後で大きなズレは無かったが、入れすぎであったようにも思う。
濃いピンクにはならなかったがかすかに色のついたピンクで、30秒経っても消えず色が残る結果となった。
滴定操作にはムラが少ないのは操作する人を変更しなかったためと思われる。
ムラは少ないが、それが成功にはなかなか繋がっていないのは結果の通りである。
精度が高いので実験に成功すれば完成度の高い実験になるだろう。


(2)試薬の重量変化の観察
手際が悪く、実験できなかった。

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